地盤・地下水解析
地盤・地下水解析
- 3次元地下水流動解析
- 沈下解析
- 津波解析
- 斜面安定性解析
- 空洞安定性解析
3次元地下水流動解析
当社は、かねてより鉱山開発・坑廃水対策・地熱流体などの分野で地下水流動解析の技術を蓄積してまいりました。
1990 年代には、国家地下石油備蓄基地の建設にあたり、東京大学工学部地球システム工学科小島研究室(現:東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻)と共同で、地下備蓄基地の岩盤タンクの水封機能(水圧による貯蔵物封じ込め)の解析をテーマとして3次元地下水流動解析の技術開発に携わりました。
現在では、「統合型水環境シミュレーションシステム」(開発:登坂教授)を基本に、地下備蓄基地の、調査期間・建設期間および操業期間にいたる数十年の間に蓄積された地質事象や工事記録などの膨大なデータをシミュレーターに取り込み、河川流量・地下水位・湧水量などの観測データを再現することにより、地下水理現象の解明に努めています。
国家地下石油備蓄基地の建設工事期間(1986年~1994年)では、局部的な水位低下など予期せぬさまざまなイベントが発生し、これに対処するためにグラウト工事などの方策がとられてきました。シミュレーションではこれらの個々の事象を取り込み、試行錯誤を経て、観測値にマッチングさせています。シミュレーターと、私たちが20年を超える年月をかけて構築した周辺プログラムにより、自然現象を極めて忠実に描き出すモデルを構築しました。
2003年~2013年に建設された倉敷国家石油ガス備蓄基地においても、この地下水流動解析技術は、坑道掘削に伴う地下岩盤内の水理状態の把握と、対策工事の評価においてその威力を発揮しました。
これらのプロジェクトで蓄積された技術は、今後の大規模な地下利用開発の設計・施工に極めて有効なツールであると確信しています。
地盤沈下予測解析
地下水位が低下することにより、圧密・弾性沈下が起こることがあります。そのような場合、精緻に構築した浸透流解析モデルで予測した将来の岩盤内の水理状態に基づき、地層の沈下を予測することが可能となります。
具体的には、水理的性質の異なる各地層の将来の水位低下予測値から、各層の収縮量を予測します。この各地層の収縮量から、地表面の沈下量を予測します。